正道有理のジャンクBOX

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正道有理のジャンクBOX

― 他の動物より人間が優れているとすれば、蓄積された知識や経験から自分の行為がもたらす成果や結末を予測し得ることである ―

安倍政権打倒へ怒りの声をひとつに!

「機密保護法」反対の声が次第に大きくなりつつある。議会内で多数派とはいえ、有権者の圧倒的部分は安倍政権を支持してはいない。一見、磐石に見える保守勢力だが院外闘争=大衆的政治闘争の広がりが政権を追い詰め、廃案に持ち込むことはできるし、政権を打倒することもできる。
 

 

これは、かつて総評=社会党ブロックが存在していた時代にはよくあったことだ。今日では、連合をはじめとした労働組合が政治闘争を真正面から取り組まなくなってしまった為に、状況は極めて厳しい。しかし、他方ではこの間の反原発闘争に現れているように、超党派・市民による運動の高まりは総評運動の時代には見られなかった特長であり、こうした運動が大きな力になるのは間違いない。

 安倍政権が議会内多数に依拠し、世論の批判や疑問に答える事もせず、ろくな国会審議もしないまましゃにむに悪法を次々と押し通そうとしているのは何故か? それは安倍政権への批判の声がひとつにまとまり、火がつく事を最も恐れているからである。保守政権の弱点は何よりも大衆的な運動の盛り上がりにあるのだ。なぜなら、かれらは1%の代表でしかないのだから。

そのように考えたとき、いろいろ思い当たることがある。

 一つは小泉元首相の「原発ゼロ」発言、彼が非核論者であったことはないし、今でも「原発ゼロ」と言っても核を無くそうとは言っていない。核廃棄物の処分場を問題にするが、現に被爆あるいは放射能の汚染で苦しんでいる福島の人々や被爆労働について語っただろうか。唐突に反原発論者に「変身」したのは反原発運動を分断しようと言う狙いからではないのか。(彼にとって、原発の有無よりも電力利権が今後どこに向かうかという事のほうに関心があるに違いない)

 二つは猪瀬東京都知事徳州会から5000万円を「借用」したという問題。受領を認めている猪瀬は納得のいく説明をし、責任を取るべきである。金の流れが明確である点で、小沢氏の場合とは全く違う。
 問題は、検察がなぜ、この時点で明らかにしたのかということだ。報道によれば、検察はかなり早い段階でこの事実を把握していたようだ。「秘密保護法」をめぐって世論が沸騰し始めているこのタイミングは政府に向かう怒りの矛先を逸らし、分散させようとするものではないか。
 民主党が政権を奪取する直前に小沢スキャンダルをでっち上げ、2年に及ぶ「政治と金」キャンペーンで世論と民主党を分断し、ついに民主党の崩壊に道を拓いた特捜検察。今度は安倍を守るために猪瀬を弾除けに使うのか。

 三つは、沖縄の負担軽減の為に本土自衛隊基地にオスプレイの受け入れ施設をつくるという報道。

原発、沖縄問題、政治腐敗は戦後における自民党支配が産み出したものだ。その集大成とも言うべき安倍政権が日本版NSCと秘密保護法という形をとって人々の未来に襲いかかろうとしている。いうなれば反原発反核放射能汚染と闘う人も、反戦・反基地、沖縄闘争を闘う人も、あるいは政治の腐敗と闘う人も大同団結して大衆的なひとつの政治闘争を作らなければならないのだ。いや、「別個に進んでともに撃つ」でもよい。ただ、向かう相手をはっきりさせることが必要だ。
 こういうときに、世論を分断するような手の込んだ策動を専門に考えている奴がいるらしい。その手には乗らないことだ。

 ビキニ環礁での水爆実験で第5福竜丸等が被爆し、それを契機にはじまった原水禁運動の高揚に楔を打ち込み、「核の平和利用」論によって反核運動が分断され、もって中曽根らの原発導入を許してしまった歴史を忘れてはいけない。